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そんなこんなで校門を抜ければ分かりやすく人が固まっているのが分かる。
入学式の案内書に校門の先にある広場に集合と書いてあったのを何となく思い出しながらも、どうせなら教室に入って座りたかったな…とぼんやり考えていれば新羅の顔がひょっこり覗き込んできた。
「何さ」
「いや?なんか、今日は流石の君でも浮き足立ってるのかなって」
「そりゃあね」
好きなものに囲まれて喜ばない人間はいないだろう?と言えば、案の定好きなものをセルティに置き換えて語り始めた新羅を放置して俺は止まっていた足を…一歩、踏み出した。
学年主任のつまらない学校の伝統、自慢話。やたら広い学園を歩かされ、チラチラ視界に入る金髪。きらびやかな多目的ホールに面白くないギャグ、無駄に長い学園長の話。
変化への期待と予想の範囲内での出来事。
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