Prologue Ⅰ

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  意識がゆっくりと覚醒していく。 霞んだ視界、しかしそこには何も写るものは無い。 「俺が言っている事は理解出来ているはずだ、何故従わない?」 そんな声がぼんやりと聞こえた。 「素直に従えば、お前の意思を操る事も無い」 そうだ、こいつのせいでオレはやりたくも無い事をやらされているんだ。 「黙れ、どっちも同」 瞬間、視界に星が散る。口の中に広がる血の味。思考停止、呼吸すら止まる。 「もっと分かりやすく言おうか、従えと言っているんだ……狂殺者(ジェノサイダー)?」 「それを、言うな!」 側頭部に鋭い痛み、昨日と同じ様に踏まれたらしい。もう、目の前は暗く痛み以外に状況を把握出来ない。 「仕方ないな、今日も強引な方法(・・・・・)でいかせてもらう」 「やめろ……」 オレの願いなど届くはずもなく。 奴の手が後頭部を掴む、そのまま無理矢理頭を持ち上げられ、 気がつけば、中倉地区のとある住宅街にいた。 「……()つけたぜ」 視界を過ぎる黒い影、チャラチャラとピアスが擦れる音、巨人と見紛うその体躯。 「キョウ(今日)オマエ(御前)タノ()しませてくれんのか?」 焦らずゆっくりと歩く。 その内に確かな殺意を抱いて、今日の狩り(トロフィーハンティング)が始まった。  
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