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「一応聞くけどよ、今ここで外を徘徊ついてるってことは、あんたもお仲間サンてことだよなァ?」
「そんな当て字を使ってまで私を仲間だって認めたいの? Dumb Broad?」
男は笑う。それはまるで勝ち誇った野獣のようだ。
「ハゲてねーし、極太で評判だぜ? このBitch!」
瞬間、ヒュンと風を切る音が聞こえた。
続いて女の背後で何かの落下音、そしてアスファルトが砕ける音。
普通ならば、その音に何かしらの驚きがあるはずである。
しかし、両者は身じろぎひとつしない。
「ふぅん……<座標移動>か<射出>ってとこかな、なら対処しやすそうね」
「その油断がお前が狩られるって証拠なンだなァ」
瞬間、ヒュンと風を切る音が女の背後から聞こえた。
しかし女は冷静にそれをあしらい、男はそれを掴む。
バキッ、とプラスチックが割れる音が響く。
「なるほど……磁力を使っているのね?」
「くかか……少し簡単すぎたかァ」
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