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「くかか……クールなぶりっ子してなんか楽しいですかァ?」
「……これでも手加減してるのよ? 貴方が苦しむ程度にね?」
「苦しむ程度に手加減って事は、つまりいつもより増し増しってことだろォ?! 手加減なんだからよ?」
「口の減らないクソガキね、あんまりおイタをすると、一撃で屠ってしまうけど?」
「それは逆だろ?」
男の声は、女の前方から聞こえてきた。
そこに男の姿は無かったが。
「言っただろ?油断するから狩られるんだよ」
今度は後方、女は振り向くか迷い天空へと飛び出した。
空を一直線に切り裂き、直ぐに上空五メートルから俯瞰した女はこの戦いで初めての驚愕を口にする。
「なぜ、さっきの場所に?」
確かに女は男が目の前に居ないと確認し、後ろから声が聞こえたのを認識したはず。
だというのに、男は女の目の前に居
「ッ!」
「ヒャッハァ!」
女の詰まった声と、男の狂った雄叫びが聞こえたのは同時だった。
何が起きていたのか。
もし第三者がこの光景を見ていたならどう表現するのか。
簡単な事だ、気がつけば男も女も上空にいたと。
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