プロローグ

2/2
前へ
/300ページ
次へ
あれはちょうど10年前の夏休み… いきなり仕事でしょっちゅう海外に出ていた父が、 「もう帰らない」 と言い出したのは。 …別れの日の朝。 父は海辺の散歩に私を誘った。 海が綺麗に見える場所で、父は私に 海のように青い色をした石のはめこまれたペンダントを 手にそっと握らせた。 ――いつかきっと、これを返しにこい。…待ってる。 そう言って父は笑った。 あれから10年たった今も、 『海』は私の大切な場所。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加