1章 Prologue

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〈ある日の学校〉 ◇ ◇ ◇ 「おーい、銀河ー」  俺を呼ぶ奴の声が聞こえる。  机に伏せた顔を渋々と上げると、この世で一番見たくない顔をみる。 「……なんだ?」  忌ま忌ましそうに奴に尋ねる。 「なんだ? じゃないよ!! もう授業全部終わってるよ? 早く学校出ない?」  そう言ってきたこいつの名前は神谷信一という、この世で俺が一番嫌って憎む名だ。  何故憎むのかは自分でも分からない……。 「……他の金魚の糞どもはどうした?」 「金魚の糞って……。彼女達は生徒会で遅れるってさ」  金魚の糞とはこいつのハーレムメンバーの事だ。ホントに事あるごとにこっちにちょっかいかけてくる。正直ウザイ。 「そうか…それじゃ……」  鞄を提げて教室を出ようとする。
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