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千夏は立って、白い肌を床につけた。
素足でひんやりとした床を蹴って、扉に向かう。
木彫りの彫刻の施された、重厚な扉は、いかにも重そうで。
彼女は少し躊躇ったが、すぐに力強く金のノブを回した。
そこは、白い世界とは全くかけはなれた眺めだった。
血のように赤い絨毯が敷き詰められ、壁は暖かみのあるクリーム色。
天井には、豪華なシャンデリアが一定の感覚を保って吊されている。
そう。彼女が見える限り、どこまでも、どこまでも、シャンデリアは続いているのだった。
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