プロローグ

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一本の桜の木・・・。 ハラリ、ハラリと舞落ちる桜の花びら。 それと同時に降って来る冷たい・・・雪。 今の季節は冬だ。 なのに、桜・・・・?? 嗚呼、そうか。 これは、 桜の狂い咲きーー・・・。 桜の木の傍で倒れてる私。 腹部は真っ赤に染まってて、留めなく出てくるのは私の血・・・。 それを止めようとしてる私の手も赤い・・・血の色。 意識が朦朧とする中。 走馬灯が走った。 私が皆と笑い合ってる映像・・・。 悪戯して怒られたり、隣の人のご飯を盗んだり、皆と喧嘩して独り寂しく泣いたあの時の数々の記憶。 今では、どんな些細な事でも私にとっては掛け替えの無い思い出。 そして最期に見たのは、 浅葱色の羽織りを着た彼等に切り付けられた今の記憶。 夢だと思いたいが、この傷の痛みが何より現実だと物語っている。 そして私は一滴の涙を流して思った。 最期に皆で笑い合いたかった・・・、 とーー・・・。
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