0.エピソードゼロ

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ビービービービービービービービービー 一定のリズムと音量で耳障りなアラームが鳴り響く。 ここはどこだ? ぼんやりと目を開けると、何人もの人間が俺を覗き込むように取り囲んでいた。 「無事、.........した.....だな。」 「は...。」 「...かし........の.......た...」 「それが....」 その中の2人が何やら話しているようだ。 しかし、ぼんやりとした意識の中では全て聞き取れず、働かない頭では言葉を予想することも叶わない。 「あ..あ......。」 無理やり声を出そうと試みると、掠れた吐息の様な発音が出るばかりだ。 左側の医者が腕になにかをすると、段々と意識が遠のいてきた。 かろうじて、最後に聞こえた一言が頭に残っている。 「君は最古であり未来だ。」 その言葉の意味をずっと考えている。
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