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『間もなく上り電車が参ります。危ないので線の内側まで下がってください』
アナウンスが鳴り、電車がホームに入ってくる。
よし、今日こそはあの人に想いを伝えるんだ。
決心を決めて俺は電車に乗った。
今日も混んでいない。席も所々空いている。
…………いた。
新聞を見ているサラリーマンに携帯をいじっている学生。
そんな中、1番端っこの席に座って本を読む女性が1人。
俺は緊張した足取りで彼女の向かいの席に座った。
彼女は、俺と同じ高校のひとつ上の3年生だ。
名前は水谷 華憐(みずたに かれん)というらしい。
電車が動きだし、車内が揺れる。
これから10分。少ししか時間はないけど、今日は絶対に想いを伝えるんだ!
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