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さっきだってそうだ。
ポーカーフェイスを気取っても、内心ビクビクしながら生きてるやつだ。
しかも隠しきれてなく、章太にはバレバレだった。
こんなんじゃ、“あの人”に距離を置かれても文句は言えないな。
「なんとかなるって」
隣からふっと声が入ってくる。明るいその声は、暗い頭の中を一掃するようだ。
「そういうもんじゃないだろ」
「悩んでたって意味ないってよく言うじゃん」
あまり説得力のない言い方だが、章太はそれを自慢げに言う。
その雰囲気が、楓を説得させた。
「とりあえずさ、悩むのは受験が終わってから」
「あー、お前も受験生だったな」
「ひどっ」
脳天気なことを言い出した。あまり悩みの無さそうなやつだから、そう言えるのだが。
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