平熱36度

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「4時35分。今日は全学年3時30分解散、部活開始はおそらく4時30分」 「じゃあまだ5分しか経ってないんだな…」 「破った犯人は誰だか知らないけどさ、掲示されて5分で片付ける程犯人にとってはヤバい情報だったんじゃねーの?」 「多分な」 飽きてきたようで、章太は頭の後ろで腕を組み、口笛を吹き始める。 その隣で、楓は考え続ける。 学校の新聞がそれ程危ない情報を流す訳がない。また、個人の悪口を書くとも思えない。せいぜい先生のカツラ疑惑程度だ。 それなら、何故? 「おい、見ろよコレ」 そう言って章太が指差したのは、床に落ちた紙切れ。拾い上げ、楓に渡す。 「新聞だな…」 その紙切れは、新聞部のものではない新聞の切れ端。楓の家で購読している新聞と、おそらく同じものだ。 「女子中…学生……投…身自殺………って書いてあるな」 「みたいだな」 新聞は古いもので、所々擦り切れ、読みにくくなっている。章太が目を凝らして読み上げた。
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