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「新聞部のに関係あんのかね」
「さあ」
章太が真面目に推理し始める。楓はこの前見た推理ドラマでもあったな、と考える。
殺された人が、犯人に関係する新聞の切り抜きを持っていた。その新聞を隠す為に犯人があれこれするという筋書き。
あの場合は、被害者が殺されると分かっていたから、ダイイングメッセージ代わりに持っていたのだが。
そのパターンだとしたら物騒だ。とりあえず自殺に関わる記事だったということになってしまう。
「ま、明日になりゃ噂は流れてるだろうよ。帰ろーぜ」
「ああ」
拾った自殺の切れ端を無造作に鞄へ突っ込み、章太が歩き出す。聞こえる鼻歌。
自殺。
そんな記事を見つけたら、もう少し動揺するのではないだろうか。
下手したら自分の周りで昔自殺した生徒がいたのかもしれない、だとか考えるであろう。“あいつ”みたいに。
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