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この頃の私は
恋愛をなるべく遠ざけていた。
・・・というのも。
高校を卒業してすぐに
私には好きな人ができた。
バイト先の店長だった人。
彼は相当な遊び人で有名だったらしいが
まだ何も知らなかった私は
ほいほい彼の思惑に
ハマってしまった。
実は当時、まだ初体験を
済ませていなかった私。
人を疑うことなど知らずに
この遊び人を誠実だと思い込み
大切なものを
捧げてしまうところだった。
しかし、あと一歩というところで
他のバイトの女の子と店長が
店で修羅場を繰り広げ
それを間近で見てしまった私は
傷つくよりも先に
心がすうーっと冷たくなるのを感じた。
それ以来、男性に本気になることを
なんだかバカバカしいと思ってしまう。
いくら本気で接しようが
相手もそれを返してくれるとは
限らないのだ。
そんな風に思ってしまう自分が
嫌な反面
「どうせうまくいかない」という想いが
私の中には根付いていて
なんとなく
恋をする気になれなかった。
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