対面。

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私は軽くパウダーをはたき リップを直すと メイク道具をしまおうとした。 「えー! モエ、それで終わり?!」 驚いた様子のマキ。 「だって普段の私たちを見て モデルに誘ったんでしょ? いまさら頑張って顔変えたら モデル断られるかもよ?」 私は軽く交わしながら 念入りにメイクをするマキに言った。 「でも、あの人まじイケメンだよ?! モデル断られてでも 私は、可愛い私で会いたいの!」 どんだけ必死なのよ・・・と 苦笑する私だったが 一生懸命なマキは なんだかいつもより可愛く見えた。 誰かのためにオシャレしようなんて もうずいぶん思ってないな・・・。 私がそんなことを考えていると マキがメイクポーチの口を閉めた。 「よっし、完了! さてさて! 乗り込みますか!」 マキと私は目を合わせると ふふっと笑いあった。 イタズラをする前の こどもみたいだ。
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