対面。

7/15
前へ
/194ページ
次へ
「ごめんね~。 こんなとこ、普段こないでしょ。 迷わなかった~?」 と言いながらイスを出す彼。 「よかったらどうぞ♪」 と言われ、私たちは大人しく着席した。 「ずいぶん立派な設備ですね・・・」 そう言うマキに 「うちの部、意外に歴史が深くて。 全部、先輩たちが残してくれたんだ。」 と返す彼。 そのやり取りを静かに見ていると 彼の視線がこちらに向いた。 「あ、ごめんね。 挨拶が先だったね。 僕、君たちと同じ学年のミノルです。 マキちゃんから聞いたと思うけど 今度のコンテストのモデルを どうしてもお願いしたくて。 忙しいのにごめんね~。」 そう言って手を差し出すイケメンくん。 「あ、どうも、モエです・・・。」 なんだか周りにあまりいない 紳士的な彼に戸惑いながら 私はミノルくんと握手をした。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加