2463人が本棚に入れています
本棚に追加
もじゃもじゃ…鈴原だっけか?は隣に座ってきた大型犬を気にすることなくオムライスを頬張った。
水門先輩はその様子をじっと眺めている。
それでいいのか、わんこよ。
やいのやいの鈴原を囲んで先輩方が騒いでいると(一人は静かだけど)今まで黙って見ていた桐生先輩が動き出した。
鈴原の前にスタイル抜群の体を惜しげもなく晒しながら立つ。
鈴原は背中に双子先輩をくっつけながらオムライスを頬張り、桐生先輩を見上げる。
「貴様、なかなか面白い奴だな。不潔なまりもだが興味がわいたぞ」
「なんだてめぇ、それが初対面の奴に対する態度か」
上から目線でいつものように尊大な桐生先輩を、鈴原は顔をしかめて切り捨てた。
確かに初対面の人に言っていい台詞じゃないよな。
絶対王者は目の前の反抗的な転入生に寸の間固まったが、次の瞬間にとても楽しそうに瞳を煌めかせた。
ニヤリと笑みを浮かべながら、桐生先輩は鈴原の顎をくいっと持ち上げる。
今度は苦しさで顔をしかめた鈴原の唇を、桐生先輩は親指でするりと撫でる。
最初のコメントを投稿しよう!