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「…何しやがる」
「さぁー、何だろうな」
至近距離で瞳に互いの姿を映す。
臆せず睨んでいる鈴原の視線を受け止めた桐生先輩は、しばらく何もせずに黙り込んでいた。
何もせずっていうか、今も親指は動いてるけど。
ちなみに周囲ではずっと悲鳴や罵声がとびかっている。
生徒会様といるのが不潔なまりも、だしな。
制裁を受けないか心配だ。
一応今の生徒会役員は自分たちの恋愛、友情などには口を出さないよう親衛隊に言ってあるけど…
過激派も存在するしな。
ちょっと警戒した方がいいかもしれない。
そんなことを考えている間に状況が動いた。
桐生先輩が何か言おうとしたのか口を開く。
しかし、僅かだが躊躇うように口を堅く結んだ。
鈴原から一瞬目を逸らし、桐生先輩は切れ長の瞳をゆらりと揺らす。
だけどまたすぐに強気な光をたたえ、鈴原の顔にニヤリと右頬を歪んだように上げながら近づけた。
そしてそのまま鈴原と重なる。
か、さな、る…
重なるー!?
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