1.竜胆と木藤

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「…何しやがる」 「さぁー、何だろうな」 至近距離で瞳に互いの姿を映す。 臆せず睨んでいる鈴原の視線を受け止めた桐生先輩は、しばらく何もせずに黙り込んでいた。 何もせずっていうか、今も親指は動いてるけど。 ちなみに周囲ではずっと悲鳴や罵声がとびかっている。 生徒会様といるのが不潔なまりも、だしな。 制裁を受けないか心配だ。 一応今の生徒会役員は自分たちの恋愛、友情などには口を出さないよう親衛隊に言ってあるけど… 過激派も存在するしな。 ちょっと警戒した方がいいかもしれない。 そんなことを考えている間に状況が動いた。 桐生先輩が何か言おうとしたのか口を開く。 しかし、僅かだが躊躇うように口を堅く結んだ。 鈴原から一瞬目を逸らし、桐生先輩は切れ長の瞳をゆらりと揺らす。 だけどまたすぐに強気な光をたたえ、鈴原の顔にニヤリと右頬を歪んだように上げながら近づけた。 そしてそのまま鈴原と重なる。 か、さな、る… 重なるー!?
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