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どがっ
痛そうな鈍い音がしたのでそっちを振り返ると、桐生先輩が飛んでくるところだった。
飛んで、くる…
反射的に体が動き、隣で興奮している空斗の頭を勢いよく押さえつけた。
どがっ、っと音がした気がするけど気のせいだろ。
同時に自分の頭も下げる。
その瞬間、桐生先輩の体が俺の金髪と空斗の焦げ茶色の髪を掠った。
そのまま後ろの机に落ちていく。
頑丈にできているので机が壊れることはなかったが、桐生先輩は巻き込んで倒しながらふかふかの床に叩きつけられた。
あ、あっぶねえぇ!
俺らあの机みたいに巻き込まれるとこだったよ!
ギリギリセーフにほっと息をつく。
隣で誰かが呻いてる気がするけど気のせいだろ。
しん-と静かになった食堂に、桐生先輩の痛そうな声が響く。
「い、い、いいいきなりなにすんだ変態!」
そう真っ赤な顔で叫ぶと、鈴原は脱兎のごとく逃げ出した。
日向先輩が、友樹!と呼びながら追いかける。
その姿をお腹を押さえながら眺める桐生先輩に、双子先輩はたたっと駆け寄る。
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