6.竜胆と菖蒲

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「生徒会会長桐生だ。気が付いていた者もいたようだが、学園に侵入者がいた。ほとんどは俺様たち生徒会、風紀、警備員で取り押さえたが、2人取り逃がしてしまった。そいつらが終業式に乱入したようだが、生徒が捕えたと聞いている。今回のことは俺様の力不足だ、貴様らには怖い思いをさせてしまい本当に申し訳ないと……あっちょ、てめっ」 「風紀委員会委員長笹目迅だ、馬鹿が勝手に1人で謝るのでマイクを代わった。馬鹿1人の責任ではない、警備にあたる全員の意識が低かった。このような事態を招き一同非常に反省している。侵入者は自分が家に引き渡し処理をする、そして警備をもう一度一から見直す。風紀だけでなく生徒会や学園側とも、あ、こら」 「………離……俺様が喋って……話…長いんだよ………んだとこの堅物……自己中……」 「うるさいですよ2人とも。大人しく座っていてください、迷惑です」 も、もう、桐生先輩に笹目先輩ってば、放送でまで喧嘩しなくても。 めっちゃ恥ずかしいんですけど。 2人を叱って黙らせた日向先輩が、ブリザードを振りまいているのが思い浮かぶ。 「失礼しました、今からの行動について会長から指示がありますので。はいどうぞ」 「あぁ。今体育館には生徒会も風紀もいなくてな、唯一いるのが立花なんだが…聞いているな立花」 今までの流れをまるっとなかったことにした先輩たちの「らしさ」に呆れていたところへの、突然のご指名に俺は驚いて背筋を伸ばした。
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