1.竜胆と木藤

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「チッ…てめえ友樹に何しやがる」 夜のお誘いは聞こえていなかったようで、舌打ち+睨みだけで済んだ。 聞こえていたらきっと殴りかかってきただろうなぁ。 …不良、怖い。 「俺はただともちゃんがぁ純粋でかわいーなぁと思っただけだよぉー」 「ま、まあまあ。何もされてないし聖もそんなに怒るなよ」 目をつり上げる樋本を鈴原は苦笑いしながら宥める。 「やっぱりよく分かんねーけど俺を心配してくれたんだろ?ありがとな」 そしてこっちを向いてにっこりと笑った。 「…別に」 素っ気なく返した俺に空斗はクスリと笑みを漏らした。 「ごめんね、これ照れてるだけだから」 「うるさいなぁ」 可愛いなと俺が鈴原にしたように肩に腕を回される。 その様子に鈴原は楽しそうに俺の左側から腕を回してきた。 「そういえば自己紹介まだだったな。俺は鈴原友樹、ともちゃんでもなんでも好きなように呼べよ」 「俺はぁ立花凛灯、生徒会会計でーす。じゃあともちゃんって呼び続けるねぇ」 「会計だったのか、えっと…」 「ふふっ凛灯でいーよ」 これからよろしく、と俺も鈴原の肩に腕を回す。
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