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「おい、てめえら離れろ。友樹に触んじゃねぇよ」
べりっと剥がしにかかる樋本に抵抗して両側の二人を抱き込む。
「だあぁ!離れろっつってんだろーがっ!」
「いーやーだぁーそんなに羨ましいならひーちゃんもまざればいーじゃんよぉ」
「なっ…」
ぶーぶー口を尖らせ言った文句に樋本は押し黙る。
目元を薄く赤らめ、そっぽを向いてしまった。
「うふふ、樋本なかなかいい腐要素、うふふふふ」
「…?」
なんでまざらないんだろう。
羨ましいんじゃなかったのか?
男同士でなに遠慮してんだか。
鈴原と顔を見合わせ首を傾げる。
「聖」
「…んだよ」
「ほら」
鈴原はあいている左手を広げおいでと樋本を呼ぶ。
その行動に樋本は目元の朱を濃くした。
「反則だろ…」
そう樋本が呟いた時、ガラガラと扉を開け担任が入ってきた。
ダルそうに名簿を肩に乗せながら教卓へ歩いてくる。
「キャー!先生が来たよー!」
「抱いて下さい!」
「はいはい、先生が来るのは当たり前だろさっさと席着けよー」
仕方なく俺は空斗と鈴原から手を外し自分の席へ向かう。
三人もそれぞれ自分の席に着いた。
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