2453人が本棚に入れています
本棚に追加
/277ページ
「時間切れっぽいわ、こりゃ。時間少ねえ」
「…そう、だな」
「なぁ、最期はキスしててぇ」
「はぁ!?何言ってるんだ、ば、この、す、スケベ!」
「す、スケベ、ヒャッヒャッヒャ、スケベだってよ、古いし生娘かよ、ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ」
「だッ、お前が突然変なこと言うからだろ!」
「変じゃねーよ。当然だろ、惚れた相手が目の前に今いるんだから」
そう言うと、夕悟は志波先生にサッとキスして離れた。
嬉しそうな割合が高いものの微妙な顔をしている。
「…感触ねー」
「あったりまえだろ!つか、勝手にしてんじゃ…!」
「でもいいや。もっかい」
顔を赤くして喚く志波先生を無視して、夕悟はマイペースにもう一度唇を重ねる。
抵抗しかけた先生だったが、夕悟がキラキラと消えていくのを見てそっと力を抜いた。
二度と会えないはずの人と終わった未来を誓い、夕悟はようやくその短くも長い人生に幕を下ろしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!