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「ともちゃんがぁ斜め前にいるーぅ」
「昨日俺の隣だって言ったろ?」
「俺の隣にぃひーちゃんがいるーぅ」
「それは四月からそうだよ。今まで二人がサボったり生徒会だったりですれ違ってただけ」
ふーんと頷く。
そして空斗の髪をちょいちょい引っ張って、耳元に顔を寄せた。
「鈴原さ、俺らみんな親衛隊持ちだけど大丈夫なの?さっき何も考えずにくっついちゃったけど」
空斗は俺の心配に問題ないよと笑った。
「鈴原いい奴だからクラスメートは気にしてないよ。ただね」
そこで笑顔を崩した。
「他のクラスの生徒は…鈴原の外見だけで判断するような奴らはちょっと危ないかも」
その言葉に俺はうーんと唸る。
制裁は怖いけど他人に仲良くするなって言われて友達やめるなんておかしな話だし…。
チャイムが鳴って授業が始まってしまっても、結局いい案は浮かばなかった。
「やっほーってあれれ?」
放課後、朝や昼休みに迎えに来なかった日向先輩を不思議に思いながら生徒会室の扉を開けると、中はしんとしていた。
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