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「…何で分かった」
「あまねんは自分の影響力知ってるでしょー?なのにキスしたからぁどーしたのかなぁって」
「貴様という奴は…」
桐生先輩は差し出した書類を受け取り眉間に皺を寄せる。
「家目当てじゃないのか」
「そだねー」
「容姿でも」
「うん」
「あいつらは転入生のせいでまた同じ傷を負わないか」
内容を確認しながら小声で言葉を重ねていく。
俺はそれに立ったまま答えていった。
「さぁねー」
最後の震えるような声にさらりとそう言う俺に、桐生先輩は眉間の皺を濃くした。
その様子に俺は桐生先輩の眉間に指をぐりぐり押し当てる。
「そんなことぉ俺にも分かんないよー。でもひゅーちゃん達が自分から動いたんだ、あまねんがどうしたって無駄だよぉ」
桐生先輩は俺の指をうざったそうに払いのける。
確認が終わった書類に会長判をどんっと押して済んだ書類の束の一番上に置いた。
ちなみにとばないように押さえてあるのは水門先輩がどこからか拾ってきた石だ。
なんの特徴もない石だったけど、水門先輩が満足げだったので重石として今も使われてる。
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