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ひゅううぅぅぅーと背中にブリザードを背負った日向先輩が立っていた。
辛うじて口角は上がってるけど目が笑ってない日向先輩は、俺の肩をがしりと掴んだ。
「ひぃっ」
「じゃあこの後も仕事があるので立花持って行きますね吉澤君」
「ど、どうぞ」
み、見捨てやがったな空斗ー!
怒ってる時の名字呼び捨てに思わずびくつく。
そんな俺を気にせず日向先輩は俺の後ろ襟をひっつかんで歩き出した。
「ひゅーちゃん痛い、待ってよぉ」
「何か言いました?」
「い、いえ何にも。って痛い痛い痛いぃー首締まってるし引きずらないでぇ!」
絶対零度の笑みを目にして慌ててNOを返したけど、その瞬間勢いよく力を込められた。
確かにすっぽかした俺が悪かったけどマジで痛い。
悲痛な叫びを無視してずんずん歩く日向先輩はこちらを見ずに呟いた。
「仕事をしなかった後輩に先輩は躾をする義務がありますね」
…あ、俺死んだな。
「みんなぁお昼ご飯はしっかり食べたかなー?今から新入生歓迎会午後の部を始めまーす」
めったに司会なんてやらない俺の登場に体育館がざわめき歓声があがる。
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