2466人が本棚に入れています
本棚に追加
「何で立花様が!?」
「司会なんてレア!」
「こっち向いてぇぇ!」
「何であいつが司会やってんだ?」
鳴り止まない歓声の中で桐生先輩が不思議そうな顔でそう呟いた。
「仕事をさぼったこと彼も反省しているんですよ」
なんて返す日向先輩だけどその笑顔は満足げだ。
…引きずられた後の時間はもう思い出したくない。
「わー俺もてもてぇ。でもあんまり騒いだらダメだよー説明あるから聞いててねぇ」
俺の言葉にぴたりと止む歓声。
それに軽く微笑んで口を開く。
「今からするのは鬼ごっこでーす。えーっとぉ鬼がそれ以外の子を捕まえまーす」
沈黙。
沈黙。
沈黙。
「…え?そんだけ?」
誰かの声が静まり返った体育館に響く。
視界の端に頭を抱える桐生先輩と額に手を当て首を振る日向先輩が映った。
俺は心の中で苦笑い。
だってキャラ的に真面目に説明なんて出来ないんだよ、ごめんなみんな。
「おい、会計。もっと言わねばならんことが山ほどあるだろうが」
そんな俺に不機嫌な堅苦しい声がマイクを通して向けられた。
最初のコメントを投稿しよう!