2445人が本棚に入れています
本棚に追加
/277ページ
「無理言ってごめんな」
「ばーか友達のピンチだろ、お前が気にすることじゃねーよ」
肩に乗る茶髪をわしゃわしゃかきまぜてやると、されるがままになっていた。
そういえば、とくぐもった声を出すから俺はん?と尋ねる。
空斗はごそごそとスマホを取り出すと、ずいっと差し出してきた。
なんだよと画面を見ると。
「…!?ばっおまなんつーもんを!」
「ぐ腐腐っいいだろこれ?」
液晶一杯に写るのは、空斗が入ってきたときのこれ何P?状態の写メだった。
空斗が指をスライドさせると、日向先輩が上半身裸の俺にまたがっていたり水門先輩が抱きついていたり…昼間の様子がバッチリ記録されていた。
空斗消せこのヤロー!と掴みかかるもかわされ頭上にスマホを持っていかれる。
身長差で届かずぐぬぬ…と唸る俺に空斗は楽しそうに笑った。
「ちなみにこれさっき凛灯がお風呂入ってる間に、凛灯のスマホで役員たちには送信済みだから」
「なに!?」
「あの時はみんな慌ててたから自分たちの行動の恥ずかしさに気づかなかったけど、今頃悶絶してるころじゃない?」
ごちそうさま、とほざく隠れ腐男子に鉄拳を食らわせるべく飛びかかる。
どたばたと新歓の夜は騒がしく更けていった。
最初のコメントを投稿しよう!