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ーーー八王子医療刑務所に来て
一週間が過ぎた頃に医者の診察
が受けれる事になった。
思っていたより早く診察がきた。
この時まだ一週間しか過ごして
無いのに、既に俺は精神的に
参っていた。
松本少年刑務所にいたほうが
全然マシと言える。
ここを出れるかは医者の判断に
かかっている。
だから、どのような態度で
診察を受ければいいか考えに
考えぬいた。
何よりも、病気で無いことを
伝えなくてはならない。
だが、あまり興奮して
「私は病気ではない!」
とやると、下手すればかえって
本物の病気とみなされるかも
知れない。
冷静に、おとなしく、
じっと目をそらさず、ただ
「反抗の為に拒食を繰り返した
だけで、松本少年刑務所の
医務課長から投薬の指示を聞い
て帰ってくるようにとの
申し送り(刑務官、間の伝達)が
あった」
と言うことにした。
ーーー医務室に着いて、
俺は礼儀正しく挨拶した。
少しでもおかしいと思われたら
帰してくれないのだ。
こちらとしては死に物狂いで
診察に臨んでいる。
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