新入りという名のもとに

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いつも通りの朝がきた。 起床して洗面を済ませ点検、朝飯 とここまで流れは変わらない。 しばらくすると 「おい、番号、氏名は」 とオヤジがきたので 「280番、ジョンです」 と答えた。 「ジョンね。荷物まとめておけ。 今日から新入訓練工場に配役だか らな。あとで迎えに来るから待っ てろ」 と言ってほかの房の人間にも同じ ように説明して回っていたどれく らいの時間が過ぎただろうか突然、 房の扉が空き 「出房」 とオヤジが言ってきた。 荷物を持ち部屋から出たら、ほか の五人のメンバーも同じように 部屋から出てきた。 眼で合図を送りながらみんな顔を 合わせる。 そしてオヤジが 「忘れ物ないか?じゃあ行くぞ」 と言ってみんな指示に従って舎房 から外に出る。 外に出たら二列になりオヤジが 「工場まで歩調とって行くからな」 と言って 「足踏みぃぃ、始め。左、左、左 右、前ぇぇ、進め」 と声をかける。 俺たちもオヤジの声に合わせ 「いち、にぃぃ、いっち、にぃぃ」 と声を出す。 工場にはすぐに着いた工場に入っ たら懲役が何人か作業をしていて、 俺たちの事をチラ見してくる。 だがそいつらは一工場の人間だと あとから解った。 訓練工場は一工場の上の階にある。 だから一工場の人間は、どんな 人間かな?とか、知り合いいるか な?見たいな感覚でオヤジにバレ ないように新入訓練の人間をチラ チラ見てくる。 俺たちはオヤジに指示され二階に ある訓練工場の入り口まで行き入 り口の前でオヤジが 「工場に入るには入り口の前に立 ち大きな声で入りますと言って 一礼してから入るように」 と指示されたので、先頭にいたナカ ジが 「入ります」 と言って一礼して入ろうとしたら オヤジが 「おめぃいなめてんのか? あぁぁ?」 と早速かましてきた。 ナカジは何度もやり直しをくらい、 工場に入る前にすでに汗だくになっ ていた。
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