新入りという名のもとに

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黙想して待っているとオヤジが 「黙想やめて脱いだ服とその他の 服すべてロッカーにしまってこい」 と言ったので隣の部屋にある ロッカーに素早くしまい、オヤジ に見つからぬよう皆、眼で合図を 送りながら 「なんだ?あのオヤジ?」 的なジェスチャーで仲間意識を 持ち 「がんばんべ」 と小声で大ちゃんが言った。 後に一般工場に落ちて、このオヤ ジのアダ名が (ペヤング) と知る。 口癖は 「おみぃぃおぉ」 と怒り 「あぁぁぁ?」 と怒ったあと言う。 訳せば 「お前」、「あん?」 と言っていると思う。 聞いてはいないが... ペヤングの由来は、顔の輪郭がペヤ ングソース焼きそばの形だかららし い。 とにかくペヤングは癖のあるオヤジ だった。 ロッカーから戻りオヤジが作業材料 を後期生に持ってこいと指示して 後期生が前期生にそれぞれ配りオヤ ジが作業指導を前期生全員に始めた。 紙おりだからここに来るまでに 経験値積んでいるので要領は解る。 作業指導が終わり作業始めしばらく して昼飯の時間に近づいたので 後期生の二人がペヤングに呼ばれ 配食の準備を始めた。 そこに大ちゃんとナカオがペヤング に呼ばれ配食係に任命され四人で 配食を隣の部屋で始めた。 残りの人間は手を休めることなく 作業だ。 そしてペヤングが 「作業やめぇ」 と叫び、残りの人間でなが机を 拭き箸を並べたり調味料出したり と協力してやる。 配食係の人たちは均等に分けた物 をオヤジに割菜 (オヤジがさらに均等かどうかチェ ックすること) してもらい問題なければ配る。 配り終えたらオヤジの号令で食べ 始める。 訓練工場にはオヤジの眼の届かない 場所にトイレがあるので、トイレは 決められた時間にしか許されない。 なので昼飯に汁物が出ると全部飲む 人間はあまりいなかった。 全員が食べ終わるまで待ち食べ終わ ったら自分の食器を各自でかたずけ、 全員終わったら休憩時間になる。 訓練期間中だから同囚との会話が 禁止されているがテレビが見れた。 テレビは、笑っていいともがやって いた。
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