新入りという名のもとに

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雑居に皆入り荷物を整理している と廊下から 「点検ぇぇ用意ぃぃ」 と号令がかかった。 雑居での点検の受け方は独居と違 う。 雑居は (番席) と言って自分の決められた場所が ある。 一般工場に落ちれば工場にいる古 い人間がより一番席に近くなる。 部屋は一番席の人間が房長となり 二番三番となって行く。 房の雰囲気も基本仲良く協力して 生活するが、やはり番席が末番に なっていくほど工場にきて新しい ので自分より上の番席の人には気 を使う。 番席が一番に近づけば近づくほど 工場の古参になるので影響力も少 なからず発生する。 ただ今は訓練工場での番席なので ペヤングが称呼番号が若い順に並 べと指示した通りに座った。 一番席はナカジになり俺は、二番 席となった。 以降、ナカオ、トミ、ショウリ 大ちゃんと並び点検を待った。 段々とオヤジの号令が近づき俺 たちの房に差し掛かり 「15室6名番号ぉぉ」 と叫んだので、一番席から順に 称呼番号を唱える。 そして6番席の大ちゃんが言い 終わったら皆で一礼する。 これが雑居の夕方の点検だ。 フロアーすべて点検が終わり 始めて終了の号令がかかる。 点検が終わったら、休む間もな く飯が配当される。 一番席が廊下の係から受け取っ て二番席に渡し奥から配る。
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