一般工場へ

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アルプス体操もだいぶ覚えてきた から俺はヤスタケに 「オヤジ、覚えたから 見てください」 と言った。 ヤスタケは黙って俺の ところにきて 「よし、踊れ」 と言った。 ずっと練習してたから足にきて フラフラしていたが何とか 踊りきった。 所々ヤスタケに指摘されたがまぁ いいだろうと言った感じで合格を もらい、再び担当台に呼ばれ安全 教育と言う紙を渡され 「これをよく読んで頭に入れろ」 と言われ指定された役席に座った。 俺が座った席は担当台の隣にある 周りから隔離された場所だった。 周りが大まかに分断され一班から 三班に構成されていた。 日本列島に例えるなら三班が本州 で面積が広い一班は北海道と言っ た感じで、二班は九州だろう。 そして俺の場所は今話題の 尖閣諸島と言った日本列島から 遠く離れた場所だ。 そんな隔離された場所だが、俺の 他に二人の人間が作業していた。 俺は眼鏡をかけた人の隣に座り 安全教育の紙きれに視線を移し、 内容を頭に叩き込んだ。 だが置かれた環境だけに頭に入っ てこない。 顔を上げるとヤスタケが目の前に いるが俺はヤスタケの目を盗み 工場を見渡した。 みんな黙々と作業をやっている。 見た感じ5工場は60人くらいいる だろうか? 「知り合いいるかな ?」 なんて思いながら安全教育を読ん でいたらヤスタケが目の前からい なくなって離れた場所で懲役と 会話している。 それを見て隣にいる眼鏡が 「サラ?」 と聞いてきたから 「なんすかサラって?」 と返す。 「新入りって意味だよ」 と続けてきたので 「そうです。訓練から 今日配役になりました。」 と再び返す。 眼鏡はヨシタカ君と言った人で 松本に服役するのは今回で二回目 になるらしく、懲罰明けで5工場 にきたらしい。 しかも前回務めた時、7工場で 担当がヤスタケだったらしい。 ヤスタケもヨシタカ君の事を覚え ているようで、お互いやりにくそ うだった。 バレないように、ヨシタカ君に ヤスタケの性格などや工場の流れ を聞いた。 そうしているうちに、トイレが 各班ごとにまわり昼飯となった。
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