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一方その頃華夜は友達とファミレスに来ていた。
「ねぇ華夜。」
「ん?」
「あんた高峰好きでしょ?」
「ぶっ…!」
突然の質問に思わず吹き出す。
「おぉ…動揺しとる動揺しとる。
華夜ってさ…シャイだから分かりやすいよね…。」
「わっ…私は…。」
「華夜っていっつも高峰と一緒に居るし幼なじみなんだし高峰もまんざらじゃないんじゃない?」
「そっそんな別にそんなんじゃ…そんなんじゃ…。」
「華夜?」
竜之介とは確かに幼馴染みだし、幼稚園、小学校、中学校、それに今も一緒だった。
だから私は知ってる。
竜之介にとって、私はただの幼なじみでそれ以上でも以下でも無い事を。
それに竜之介には…。
ピリリリ。
「あれ、華夜。
電話鳴ってるよ」
「えっ…?
あっ…。
うん。」
「大丈夫ー…?
心ここにあらずって感じだったよー?」
「あっ…そんな…。
ちょっとごめん。」
携帯を持って、足早にその場を去る。
「あっ、竜之介…?
どうしたの?」
「なぁ華夜、椿って覚えてるか?
ほら、小学の時一緒だったろ?」
「うん、椿ちゃんね、どうしたの?」
「今日手紙が来てさ、あいつ今鎌鼬村って所に居るらしい。
んでお前と一緒に来ないか?
って言っててさ。」
「行く行く!
椿ちゃん元気かなぁ…。」
「手紙によると爺さんと婆さんと妹と仲良くやってるそうだ。」
「良かった…。
小学の時すぐ転校しちゃったもんね…。」
「…。」
「それでいつ行くの?」
「あぁ…。
来週末にでも。」
「うん、分かった。」
電話を切り、小さく溜め息。
幼馴染に会えるのは確かに嬉しい物の、少し複雑な気がする自分がちょっと嫌だった。
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