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いじめが始まって1週間。
奈央たちからいじめられるだけではなく、クラスのみんなから無視されたり、にらまれたり…
このクラスの中に、奈央たちの仲間がいるらしく、日直の仕事をやらされたりもする。
こんなとき、里音がいてくれたら…
「里音…」
「何よ、うるさいわねぇ…」
「里美、里音はもう死んだの。あんなやつのことなんかわすれたら?」
「奈央、もうこんなことしないで!!目をさましてよぉ!!」
「うるせーよ、ブス!!」
「きゃあっ」
やめてよ…奈央はなんでこんなことするの?
ねぇ、里音。
私、どうすればいいかな…
「ただいま。」
誰もいない。
お母さんは、いつも仕事から帰ってくるのが遅いし、家は母子家庭。
「ただいま~」
「あれ?お母さん…」
「今日は仕事早かったから。」
「あのね、聞いてほしいことがあるの。」
「今そんな時間ないの。会社の飲み会だから、じゃねっ」
「あっ、お母さん…」
ひどいよ…私はこんなに苦しいのに…
お母さんも奈央たちと同じだ。
私のことなんてどうでもいいんだ。
「もう寝よ。」
「里美ちゃん、里美ちゃん…」
「あれ?里音…」
「いつも、笑顔でいてね…」
「でも…」
「里美ちゃんなら大丈夫だよ。」
「里音?」
「う~ん…」
夢?
夢の中でも会えた…
里音はほんとにそう言ってくれたのかも。
ありがとう。
私、がんばってみるよ。
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