―Tウイルス―

12/38
前へ
/42ページ
次へ
<二階> 「行ったな。どうする?」 「視力は無いのか?」 二人は、一旦隠れ、時が静かに恐ろしく流れていくのを感じる。 「さっきの素早さから見ても隙を作らなくては勝ち目はない。」 「助けを待つか?」 外を指差す隊士。 「期待するな。それに多田の敵取んなきゃな。」 スタン。スタン。と動き回る怪物。 「その内に見付かる。行動しよう。」 「…。俺が、引き付ける。その間に、別方向から弾を撃ってくれ。」 「おい!待て。」 気付いた時には、隊士は廊下の真ん中に立ち、マシンガンを連発している。 <怪物!こっちだぁぁ。> 叫び声に、怪物は反応し近付いてくる。 別方向に回った隊士は、唖然とした。 そして、叫んだ。 「逃げろぉ!」 <おい!…。ん?> 異変に気付いた隊士は、後ろを見る。 そこには、もう一体天井を這っている怪物がいた。 <おいおい。嘘だろ?> 別方向の隊士は、前方にいる怪物に撃ちこむ。 止まない銃声。 <ぎゃあぁぁぁ゛ぁ> 仲間が死んだ。 そう思った時には、遅かった。 ニ体の怪物が、襲い掛かる。 隊士は、ありったけのグレネードを廊下に落とした。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加