―Tウイルス―

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昼間の国道を歩かずに、近くにあった釘を取り、少し変形させる。 それを、停まっている中型のバイクの鍵穴に挿し込み回す。 静かな国道にエンジン音が響く。 拳銃をベルトに仕舞い、バイクに跨がる。 「使えるな。」 そのまま、人を捜す事にした。 走ってから五分。人通りが多い東京のスクランブル交差点に着いた。 十人程が街を徘徊している。 様子が可笑しいのは、すぐにわかる。 バスが転倒し、乗用車は一回転して逆さまになっている。 二人の人間が、こちらに気付き近付いてくる。重い足取りで。 「生きてないのか。」 怪我の形状からして、生きてるとは思えにくい。 神谷覺は、拳銃を取り出し、構えた。 短い乾いた発砲音が響き、人が倒れる。 「生憎、人を殺すのは慣れている。」
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