1人が本棚に入れています
本棚に追加
ガサッ。
「!?」
いま、暗闇で何か動かなかったか。
みるみるうちに、汗がどっと噴き出してくる。
心臓が全力疾走している。
リゲルは、作業を中止して後ろを振り返った。
「…っ」
――――何もいない。
気のせいだったか。
ホッと安堵し、大きく息を吐き出す。
だが、途端に周りが気になってしかたない。
どうするか。
「…帰ろ。せいぜい明日、司書長に説教くらう位だ。何かあるより、ずっとマシだな」
そう言って、勢いよく立ちあがる。
そうとなっては、ここに長居する必要は全くない。
急いで片づけを始めた。
遠くにあるハタキを取ろうと手を伸ばした時。
ガッ!!
「…っっ!」
足元にあったモップを、思い切り蹴ってしまった。
そのままバランスを崩して、倒れこむ。
その時に思わず、助けを求めて両手が宙をかく。
バサバサバサッ!
その左手が、本棚の本を次々と床に落としていく。
「わぁ…っ!!!!」
その中の一冊が、運悪く真ん中のガラスケースにぶち当たった。
最初のコメントを投稿しよう!