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先生の先生としてダメダメ言葉は放っておいて、問題は生徒達の言葉だ。
私はどうしてこんなに彼が怖がられてるか全くわからない。
確かに彼は目つき悪いし、暴力的だし、口も悪い。
だけど、彼は優しい人だ。
私は彼が登っている木の下に到着した。
木の周りには先生と野次馬的生徒が数人。
「降りてこないと反省文だぞ!」とか「また先生に怒られてるよー?怖い、狼くん。」とか、さまざまな言葉が聞こえてくる。
だけど、ちゃんと耳を澄ませばみんなにも彼の優しさが聞こえてくるはずなのに…。
私はざわざわしている周りの声に紛れた、低いけど居心地のよい声をみつけた。
その声は…
「おい!こら!動くんじゃねぇよ!落ちんぞこのバカ!」
と、確かに言っていた。
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