いじめ、とは

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机には、「アホ」「バカ」「死ね」などの汚い文字。 それが、小6の時の私の姿。 でも、もうこんなの、なれている。 1年経ったら、さ。 先生は止めないし、みんな、私のことを見捨てる。 腕には自殺をしようとした時のカッターの跡。 背中には虐待を親からうけたときの傷。 そんな惨めな私だった。 「なぜ、いじめはあるの?」 「弱いものを汚して何が面白いの?」 そんなこと、私が言えるわけがない。 だって、今、私は誰かをいじめている。 小6の時の、復讐、と思って。 でも、復讐をしたって、その子が悪いわけじゃない。 だって、その子が私をいじめたわけじゃないから。 ね?そうでしょ? でも 止まらない 止められない そんな自分が嫌になる。 私も同じことをした。 自業自得だ。 でもほかの子はどうなる?? そう思うと自分だけ という孤独感を感じてしまう。 ほかの子もいじめていたのに、なぜ私だけ同じことをされなきゃいけないんだ、と。 「バーカ」 そんな言葉を吐いたのも、浴びたのも、私だった。 そんな時、私を救った一人の女の子、香川 藍だった・・・。 「そんなことしちゃ、だめだよ。」 私をいじめていた子と、いじめた私に、彼女は同じことを二回言った。 「なんだよ」 そう言って逃げたのは、私をいじめた子と、いじめたわたしだった。 「大丈夫?」 いじめられた私と、私がいじめた子に藍は言う。
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