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「え…俺が、桜井の家に?」
「そうだ、お前今週日直だったろ?1週間分のプリント、桜井に届けてやってくれないか?」
「分かりました」
きっかけは、担任とのこんな会話だった。
桜井と呼ばれる彼女は、俺達が通う中学の、2年3組出席番号13番。
それくらいしか、知らない。
何故なら、桜井は不登校生だからだ。
入学式の次の週から、桜井は学校に来なくなったと聞いている。
中学に入学してすぐ虐めがあったというのは考えにくい。
特に桜井はおとなしい女の子で、本ばかり読んでいた印象がある。
性格も、控えめながらも優しくて、クラス全体から悪い噂などは聞いたことがなかった。
そのため、先輩から目をつけられて…というのも考えにくい。
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