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目覚まし代わりにセットしておいたラジオが歌い出す。
暑い。
鼻先から抜けるような高音に導かれるように意識が覚醒してゆく。
暑い。
固いベッドに背を預けたまま思考を巡らす。ふわふわした鼻歌はいつかどこかで聴いた事のあるメロディだった。
暑い。
真夏の日差しは早朝からでももう容赦なく照りつける。
tu tul tu
tu tul tu
いつだったろう。
いつだった?
こんな鼻歌を聴かされてた、時期があった。
あれは…………そうだ。
あの子の鼻歌だ。
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