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「まぁ初めて惚れた奴が赤城だとはな…」
少し不安そうに眉を潜める廉。
「なんかあんのか?」
俺はその行為が気になり問いかける。
「あるも何も問題大有りだ!!」
いつになく真剣な表情で俺に突っ掛かる。
「赤城って言ったらこの学校一の強い不良たぜ!?相手にされる前にぶちのめされるのがおち…………………いや…亮太ならそんな心配は無いか…」
廉はそう言うとちらりとこちらに目を向ける。
「何でそう言い切れるんだよ…」
俺は顔をしかめ問い掛けた。
「お前は外見平凡の癖に中身が非凡すぎんだよ!!この前なんか不良相手にカツアゲしやがったじゃねぇか!!」
あー………
「あーそんなこともあったな…」
「しかも中学の時なんか…」
「それ以上は言うな…俺の黒歴史だ…」
確かに中学の頃はどこで道を踏み間違えたのか…一時期グレた時期があった。
「まぁ初めて好きになった奴なんだ頑張れよ!」
「あぁ、ありがとな…」
そう言って俺は廉に微笑んだ。
すると何故かクラスの奴等が少し前屈みになって教室から出ていった。
何でだ?
「はぁ…平凡の癖に何で微笑むとかっこよくなんだよ…」
俺は廉へと目を向けるとそう呟いていた。
「はぁ!?」
意味がわからん…。
まぁいいか…。
初めて誰かを好きになったんだ絶対に落としてみせるさ…
end
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