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今は夜ご飯を食べている。
あの後俺はベッドに潜り込んで母さんに呼ばれるまで寝ていた。
たわいもない会話が食卓をにぎわす。
すると母さんが
「そういえば千紘、今年も夏祭り行くの?」
あの約束をしてから俺は毎年夏祭りへ行っていた。
たとえ零次が来なくても約束を交わした場所へ足を運んでいた。
「うん、そうだね…」
「いいなぁ千紘は夏祭り行けて…お兄ちゃんその日授業入ってるわー」
しょぼんと落ち込む兄ちゃん。
「クスクス…じゃあなんかお土産買ってくるよ」
すると兄ちゃんは嬉しそうに
「おー!!ありがとう千紘!!やっぱり千紘は可愛いなぁ」
そう言って俺の頭を撫でた。
食事が終わり俺は部屋に戻ったら。
そしてふと
(今年は零次来るのかな…)
そんなことを考える。
ここしばらく零次が付き合っていると言う話は聞かない。
(それとももう来ないのかな…)
でもすぐにまた彼女なんて出来るだろう…。
(ただ俺の反応を面白がってただけなのかな…)
そんなことを考えているとまたぽろぽろと涙が溢れた。
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