好きになりまして

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雨は止む気配はなくアスファルトの道路に黒い染みを増やしていく。 俺はそれを眺めながら家までの路を歩いていた。 ふと、雨の音に混ざり誰かの声が聞こえた。 俺は声が聞こえた方向に目を向ける。 目を向けた先は空き地のようでそこは一人の男を囲むようにして複数の不良達がいた。 (あれって俺の高校の奴等だよな?一体何してんだ?) 俺の考えていたことの答えは直ぐに分かった。 「今日でテメェには負けて貰うぜ!!赤城よぉぉ!!」 一人の不良が殺気をその場にぶちまけるように叫ぶ。 その声に答えるかのようにその不良の回りのやつらも殺気を覗かせる。 どうやら喧嘩のようだ。 俺の通う高校は俗にいう不良校で学校でも喧嘩は絶えない。 まぁ俺みたいな平凡には到底関係のないことだし関わりたくも無かった。 (これは見ないで早く帰った方が良さそうだな) そう思いその場から離れようとしたとき その場を空気を壊すような言葉が聞こえた。 「ねぇ俺早く寝たいからそこ退いてよ」 その声は酷く眠たそうにあくび交じりに言葉を紡ぐ。 でもその声の裏には微かな苛立ちと殺気を覗かせていた。 しかし不良達はそれには気付かずそいつに向かって攻撃をくり出した。
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