眠る午後

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暑さに白く霞むような空気の中で、浅い眠りに漂う。 もっとも、部屋の中では空調が効いていて、二葉は窓の外で照りつける太陽に、その白さを思う。--眠りと覚醒の狭間で。 せっかくの休日だ。幸い、天気も申し分ない。早々に洗濯をして布団も干して、部屋を簡単に片付けて久しぶりに買い物にでも出て--そう考えながらも、昼近くに一度目を覚まし、一服してから再びベッドに転がってしまった体は容易に起き出そうとはせずに、はっきりと目を覚ましてもつい再び目を閉じてみてしまい、そうしていつの間にか眠りに落ちている。ここのところ、忙しかったせいだろうか。 たまの休日がもったいないと思いはするものの、たまの休日くらいいいじゃないかと同じ頭で思ってしまえば、疲れた体はそこにつけこんで--結果、二葉は午後の日射しを横目に、何度かの覚醒を迎えた今も横たわったままでいた。
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