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「たまにはいいじゃん、疲れてたんじゃねえの」
二葉が微睡みながら言い聞かせていた言葉を、彼もまた繰り返す。
「でも、もったいなかった」
悔しそうに笑いながら二葉が食い下がる。すると、彼が一瞬の間をおいて、こころもち身を乗り出し、挑むように笑いかけてきた。
挑発。
「しょうがねえな。--凝縮すりゃいいじゃん」
「これから?」
「そう、これから。……寝るまでに」
だから来いよ。--囁く声は深くしみこむ。
窓の向こうで、雲が赤く燃えだしている。
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