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二年後、清華は第一志望の大学に合格した。 他県にあるので、家を離れる必要があった。 清華は荷物を車に詰めると、地下室に行った。 「ヨシオ、あたしこの家を、しばらく離れるわ」 いつもの二倍くらいの遅さでブロックが浮き上がった。 「どのくらい」 「夏休みには帰ると思うから、そんなに長くないわ」 「僕はその間何をしていれば良いの」 「好きにしていればいいよ」 「詰まりボーッとしてろっていうの」 清華はたじろいだ。 「しょうがないじゃない。向こうにあんたを持っていくわけにはいかないでしょ」 ブロックは動かなかった。 「ごめんね……しょうがないのよ」 清華は水槽の蓋を撫でた。 「じゃあ。さようなら」 ブロックが僅かに動く。 「夏休みまでには彼氏を作っとくわ」 清華は少しでも雰囲気を明るくさせようと、冗談を去り際に言った。 水槽がガタガタと揺れ始めた。
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