姫様初デート。

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信長にとって嫌な1日が来た。 デート当日の朝。彩兵衛チャンに「デート当日だけは正装でお願いします!」と固く言われてたのに信長はうつけ姿だった。 彩兵衛チャンは 「姫様は最初から乗り気じゃないから仕方ないですね。デートが終わったら私が政宗様に謝罪しておきます。これも軍師の務め!」と俺に言って来た。 彩兵衛チャンも大変だな。あんなワガママ姫様に支える軍師とは・・・。と自分が紹介した事をスッカリ忘れてる将斗だった。 そして政宗はやってきた。 「姫!お迎えにあがりました!」と 信長は 「はい。じゃあ行ってくるから何かあれば軍師の彩兵衛に聞いてね?夕刻には帰るから」と皆に言って出掛けて行った。 彩兵衛と華千代は「姫様行ってらっしゃいませ!」と送り 圭吾と真千代は「姫様~!」とまるで今生の別れみたいに泣いていた。 俺は「せっかく何だから明日帰って来れば良いのによ。」と日々戦ばかりで疲れてるだろう。たまには羽根伸ばしてユックリしたら?と気遣って言ったつもりだが 信長に帰って来たら「殺す!」みたいな目で睨まれた。 そして信長がデートに行き城は何だか凄いマッタリムードだった。 一方の信長は政宗と2人庭園を散歩しながら歩いていた。 すると政宗は「あそこに座りましょう?」と樹の椅子を指差した。未来で言うベンチである。 信長が 「ええ」と言い2人並んで座った。 そして政宗が 「実はデートにお誘いしたのは勿論姫を想う気持ちもありますが、実は姫に聞きたい事があったのです。」と政宗が言うのを聞いて 「何かしら?」と信長が聞くと 「はい。姫は天下布武が夢だと?」と政宗が聞くと 「そうよ。あなただって自分が奥州を馳せるとか言うくらいだから天下布武狙ってるんでしょ?」と言い「じゃあ私達はいずれ戦うわね?」と信長が言うと 政宗は。 「ははは。」と笑い。 「いや私の夢は平和です。天下布武の器でないのは理解してます。だけど平和な世は一途に願います。だから天下は無理でも奥州だけは統一して平和にしたいと戦っているのです。」と 言い。 「私は天下布武を諦めた奥州だけに止まる小さな男だったのです。」と政宗が言った。 それを聞いた信長は 「でもいずれ奥州も攻めるわよ私は?天下布武が夢なんだから。」と戦国時代の厳しさを伝えた。
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