俺=私

6/10
前へ
/46ページ
次へ
本を読みながら企画の流れや、BGMの曲などを考えていると委員長が俺の名前を呼んだ。 「仕事がないなら帰っても良いぞ。」 委員長はこちらを見ずにそう言った。 「早く帰れ。」そう言うふうにしか聞こえないんだけどな、ごめんね。そういう風にしか思えない奴だから俺って。 「はいはい。」 そう言って身支度が整い、帰ろうとすると副委員長が俺を呼び止めた。 「あれ?満(みつる)帰るの?」 「うん。私がいた所で何にもならないしね。」 可愛くない女の子の出来上がりだ。うん、嫌いになってよ。利用する価値のない奴に好かれても何ともないし嬉しくないし。 何も言わない副委員長の横を通りすぎ、俺は放送室を後にした。今頃俺の悪口でも言ってんだろうな。 前に聴いてしまったのだ。まぁ普通に入っていったけどね。 他の委員は慌ててたけど。でも、副会長は椅子に座って前を見据えてた。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加